「経験やスキルがないと派遣社員として働くのは厳しい?」
「30代や40代の女性でも派遣の仕事を紹介してもらえる?」
「派遣社員の収入は?一人暮らしを維持できるくらい稼げる?」
派遣で働きたい気持ちがあっても、このように人それぞれの不安や悩みから行動に移せないでいる方もいるのではないでしょうか。
たしかに、初めて派遣で働くとなれば、収入面や待遇面などで分からないことも多いでしょう。
そこでこの記事では、派遣で働く際のよくある不安・疑問をピックアップしてみました。合わせて、派遣で働くメリット・デメリット、派遣で働く際の基本的な流れ、派遣会社の選び方についても解説します。
派遣で働くことに興味がある方はぜひチェックしてみてください。
スキル不足や派遣の将来…派遣で初めて働く時のよくある不安5つ!
まずは、派遣で初めて働く際に、多くの人が不安に感じやすいことを5つに分けて紹介します。
不安1.経験が少ないことへの不安
派遣の場合、派遣先の業界や職種に馴染みがなかったり初めてだったりすると、いっそう不安が募るかもしれません。
実際に、転職や中途採用の場では経験者や有資格者が優遇されるケースが多いので、自分自身の能力やスキルで与えられた業務を無事に遂行できるのか、心配になってしまうのも当然でしょう。
実は、派遣求人には「未経験者歓迎」としている仕事も多いです。
仕事としては以下のようなものがあげられます。
- テレマーケティング
- 販売
- 受付
また、なかには派遣社員としての就業をきっかけにスキルアップやキャリアアップを目指す人もいます。
不安2.契約に関することへの不安
「派遣切りにあったらどうしよう」「契約を終了したらその後はどうしたらいい?」というように、契約に対する不安がある方も多いでしょう。
たしかに、派遣の場合は契約期間に定めがあり、正社員のように一度雇用されたら安心して長く働けるということはありません。
しかし、基本的には契約が更新されるケースが多いです。
派遣先企業の業績が悪化したり派遣スタッフの勤務態度が良くなかったり、そうした問題が発生しない限りは、更新されると考えて良いでしょう。
それでも派遣契約が終了するとなった場合には、以下のような方法があります。
- 派遣会社に新たな仕事を紹介してもらう
- 別の派遣会社に登録して仕事を探す
不安3.年齢や将来への不安
派遣社員の年齢についてネットで検索すると、「やばい」「行く末」など気になる言葉が出てくることがあります。それだけ派遣で働くことに対して、年齢や将来性に対して不安を感じる方が多いということでしょう。
しかし、派遣就業に年齢制限はありません。
年齢を重ねていれば社会経験や実務経験も十分に身についているので、派遣先が研修を行ったり一から人材育成したりする手間が省けます。即戦力を必要としている企業からは重宝されるでしょう。
不安4.収入への不安
「派遣はパートやアルバイトより稼げるって本当?」「派遣社員は収入が不安定?」など、生活に大きく関わる収入に対して不安を感じる方も少なくありません。
派遣はパートやアルバイトに比べて時給が高い傾向にあります。
少し古いデータになりますが、東京産業労働局による「平成30年度派遣労働に関する実態調査」では、東京都の時給は1,400~1,600円未満が27.6%ともっとも多い結果となっています。
時給 | 割合 |
---|---|
1,400~1,600円未満 | 27.6% |
1,200~1,400円未満 | 21.9% |
1,600~1,800円未満 | 20.7% |
時給1,400円で1日8時間、月に20日間出勤した場合、月収は224,000円です。
平均賃金や平均年収についても見ておきましょう。
厚生労働省による令和2年度の「労働者派遣事業報告書」によると、派遣労働者の一日当たりの賃金(8時間換算)の平均賃金は、前年度に比べて2.3%増えて15,590円でした。
年間の出勤日数を240日と仮定した場合、平均年収は約374万円となります。
派遣先や仕事内容によっては、新卒の正社員よりも時給が高くなることもありますが、派遣社員には賞与がない場合も多いです。正社員と派遣社員の給与差としては、賞与の有無は大きく影響するでしょう。
不安5.福利厚生への不安
「派遣社員には福利厚生がないのでは?」と考えている方もいるかもしれませんが、近年は福利厚生が充実している人材派遣会社が増えています。
派遣社員も受けられる福利厚生の内容としては、以下のようなものがあげられます。
- 社会保険
- 有給休暇
- 健康診断
- 休暇制度
なかには一定の基準が設けられているものもあるので、必ず適用されるとは限りませんが、福利厚生の充実度は働きやすさにつながるので、派遣会社選びの際にはぜひチェックしておきましょう。
不安6.服装や髪型への不安
派遣先ではどんな身だしなみをすべきかと悩む方も多いです。たしかに、手持ちの服で着まわせれば良いですが、そうでなければ就業開始までに準備しなくてはならないので当然でしょう。
服装や髪型は派遣先の規定に合わせなければならないので、あらかじめ派遣会社のコーディネーターに確認しておきましょう。
職場の方々に挨拶をする就業当日はスーツを着用すべきか、それともオフィスカジュアルで問題ないのかという点についても、合わせて確認しておくと安心です。
そうは言っても、派手な髪色やネイルは社会人のマナーとして避けたほうが無難です。
ビジネスの場にふさわしい服装や髪型を心掛けましょう。
派遣で働く際の不安や疑問は派遣会社のコーディネーターに必ず確認!
初めて派遣で働く方はもちろん、既に派遣社員となっている方でもさまざまな不安や疑問を感じることがあるでしょう。
その場合は、速やかに派遣会社の担当者に相談しましょう。
派遣社員と派遣先企業との間に存在するのが派遣会社です。派遣会社は、派遣社員が働きやすいよう対応・配慮してくれるので、気持ち良く勤務するためにも分からないことや気になることは早めに解消しておくことをおすすめします。
また、初めて派遣で働く際には、希望の職種だけでなく、派遣で働くうえでの疑問や不安も伝えてください。
あらかじめ伝えておけば、不安なく働ける派遣先を紹介してもらえるでしょう。
フォロー体制が整っているので、派遣社員として働いたことのない方でも安心して働けるでしょう。
派遣社員として働くメリット7つ!プライベート重視の人にもおすすめ
退職・転職してから後悔しないためにも、派遣会社に登録する前に、派遣社員として働くメリット・デメリットについても知っておくことをおすすめします。
まずはメリットから見ていきましょう。
メリット1.給料が高い傾向にある
派遣の仕事は需要が高い案件が多いので、比較的給与が高い傾向にあります。
前述した通り、パートやアルバイトに比べると時給が高めです。
残業の際にも、派遣の場合は時間単位で残業代が支払われるので、働けば働いた分、給料が上がります。
派遣社員の経歴やスキルによっては、正社員よりも給料が高くなるケースもあります。
メリット2.ライフスタイルに合わせて働ける
正社員の場合、勤務時間があらかじめ決まっていて、転勤や部署異動などもあります。
その点、派遣社員は「職種」「勤務時間」「勤務地」などを自由に選ぶことができるので、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
- 残業無しの仕事
- 週3勤務
- 時短勤務
上記のようにさまざまな派遣求人があるので、「家事があるから定時で帰れる仕事がしたい」という主婦の方や「子育てと両立できる職場で働きたい」というシングルマザーの方など、自分に合った仕事を探せるでしょう。
メリット3.サポート体制が整っている
正社員や契約社員などの直接雇用の場合、仕事上の困りごとは直属の上司へ相談しなければなりません。内容によっては、同じ職場で働く上司にネガティブな相談を持ち掛けることに抵抗を感じる方も多いでしょう。
対して、派遣社員の雇用主は派遣会社なので、仕事や職場に関する悩みや不安は派遣会社の担当者に相談できます。
派遣先との間に派遣会社が入ってくれるので、自分自身では解決が難しい問題でも、派遣会社がサポートしてくれます。
何かあった際にも気軽に相談できる環境が整っていれば、安心して働けるでしょう。
メリット4.これまで培ってきたキャリアやスキルを活かせる
派遣の場合、希望条件に合った仕事を紹介してもらえるので、これまで培ってきた経験や資格・能力を活かせます。
特に専門性の高い仕事では、派遣社員に即戦力を求めるケースも多いです。
担当外の仕事をすることがなく、専門業務に専念して働くことも可能でしょう。
メリット5.面倒な人間関係が少ない
派遣社員は、契約の範囲内の業務を行うために派遣会社から派遣されています。
そのため、会社の飲み会のような業務外のイベントに、強制的に参加させられることはほとんどないと言って良いでしょう。
正社員の場合、上下関係や取引先などのしがらみに縛られることも多いです。人間関係に支障を来さないためにと、無理や我慢をして業務外のイベントに付き合っている方もいるのではないでしょうか。
派遣先の社風にもよるので絶対に回避できるとは言い切れませんが、派遣会社から来ている派遣社員なら、そうした煩わしい人間関係に縛られることも比較的少ないでしょう。
メリット6.さまざまな職場で経験を積むことができる
派遣社員には契約期間があり、最長でも3年で職場が変わるので、さまざまな職場で仕事の経験を積むことができます。
なかには、正社員として入社するのが困難な人気企業でも、派遣社員の募集をしているところもあります。
また、契約期間が終了しても、次の仕事は派遣会社が探してくれるので、自分自身で転職活動をする必要がありません。
メリット7.Wワークが可能
多くの派遣会社ではWワークが可能となっているため、曜日や時間帯を変えて複数の仕事を掛け持ちすることもできます。
派遣社員として働くデメリット3つ!収入や雇用が安定しづらい
次に、派遣で働くデメリットのほうもチェックしていきましょう。
デメリット1.収入が安定しづらい
派遣の仕事の多くは時給制です。そのため、出勤日数が多い月は月収が上がりますが、休日が多い月には月収がダウンしてしまいます。
派遣として働くのであれば、月収にアップダウンが出てしまうことは、あらかじめ頭に入れておいたほうが良いでしょう。
デメリット2.長期雇用が難しい
派遣社員は有期雇用契約なので、ひとつの職場で3年以上働くことができません。
また、派遣期間中の契約解除は法律で禁止されているので、その場ですぐに辞めさせられることはありませんが、業績悪化など派遣先の理由によっては契約期間が3年を待たずに終了してしまう可能性もあります。
デメリット3.責任ある仕事が少ない
派遣社員の仕事内容は、契約書に記載されている業務に限定されます。
そのため、せっかくスキルアップをしても範囲外の仕事であれば職場で活かせるチャンスは少なく、責任ある仕事は正社員が担当することがほとんどです。
「やりがいのある仕事をしたい」「責任ある立場を目指したい」という方にとっては物足りないと感じることも多いでしょう。
派遣が初めてなら必ずチェック!登録から就業開始までの基本的な流れ
派遣社員として働くには、派遣会社へ登録しなければなりません。ここからは、派遣会社への登録から就業開始までの基本の流れを手順ごとに解説していきます。
手順1.派遣登録会の予約をする
派遣会社によって用意している登録法は異なりますが、主に「来社」「電話」「WEB」の3種類あります。
来社登録 | 派遣会社を直接訪問して派遣登録する方法 |
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電話登録 | 電話で派遣登録に必要な情報を伝えて登録する方法 |
WEB登録 | WEB上で個人情報や経歴を入力して登録する方法 |
来社登録の場合、まずは電話かWEBで登録会の予約を行います。
手順2.派遣登録会に参加する
派遣登録会では、以下のような内容が行われます。
【登録会の内容】
派遣システム・就業開始までの流れの説明 | 派遣の仕組みについて説明を受けます。ビデオ視聴のケースもあります。 |
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プロフィールの登録 | 名前や住所などの基本情報、学歴・職歴・資格などを登録します。 |
スキルチェック | パソコンを使用して入力スピードやExcel・Wordの基本操作などを確認します。 |
コーディネーターとの面談 | 仕事を紹介するうえで必要な情報をコーディネーターに伝えます。 |
派遣登録会に必要なものは以下の通りです。
【登録会に必要なもの】
- 本人確認証
- 履歴書・職務経歴書
- 本人名義の銀行口座の通帳やカード
手順3.派遣先との打合せ・就業スタート
仕事の紹介を受けて働く意思が固まったら、その旨を派遣会社に伝えます。
その後、派遣会社の担当者と一緒に派遣先企業の責任者や担当者との顔合わせを行います。
顔合わせで行われるのは以下のような内容です。
【顔合わせの内容】
- 双方の自己紹介
- 仕事内容の確認
派遣先から志望動機やキャリアプランなどについて質問を受ける場合もあります。質問を想定した回答やこちらから担当者へ質問したいことなど、事前に準備しておくと良いでしょう。
顔合わせは就業後のミスマッチを防ぐためのものです。
就業に関して分からないことや気になることがあれば、この段階で確認しておきましょう。
初めての派遣就業でも失敗しない!派遣会社を選ぶ時の注目ポイント
世の中にはたくさんの派遣会社があるので、どの会社を選べばいいのか迷う方も多いでしょう。
続いて、派遣会社を選ぶ際にチェックすべき5つのポイントについて解説します。
注目ポイント1.派遣会社の種類
「派遣会社はどこも同じなのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、派遣会社にはいくつかの種類があり、それぞれ異なるメリットも持っています。
種類ごとの特徴を理解したうえで、自分に合うタイプを見極めることができれば、希望の派遣求人に出会える可能性が高くなります。
以下に、派遣会社の種類とメリットをまとめたのでぜひ参考にしてください。
【派遣会社の種類とメリット】
種類 | メリット |
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大手派遣会社 (大手企業が出資・設立した派遣会社) |
・求人数が多い ・大手企業の求人が多い ・福利厚生が充実している |
資本系派遣会社 (大手企業のグループ会社系列の派遣会社) |
・グループ企業の求人が多い ・福利厚生が充実している |
独立系派遣会社 (独立して設立された親会社のない派遣会社) |
・さまざまな業界、職種、企業の求人がある ・比較的、地元の求人に強い |
業界・職種特化型派遣会社 (特定の業界や職種に特化した派遣会社) |
・やりたい仕事を見つけやすい ・専門分野に詳しい担当者が多い |
注目ポイント2.取り扱っている求人の数や種類
派遣会社を選ぶ際、必ず確認しておきたいのが、取り扱っている求人の数や求人の種類です。
求人数が豊富な会社を選べば仕事の選択肢が増えるので、より希望条件に近い仕事が見つかるでしょう。
また、「業界」「職種」「勤務地」「派遣の種類」など、取り扱っている求人の傾向についても必ずチェックしておきましょう。
「オフィスワーク求人が多い」「IT系に強い」「紹介予定派遣の案件が多い」など、派遣会社によってそれぞれ強みを持っています。
注目ポイント3.サポート体制
派遣会社のサポート体制も、派遣会社を選ぶ際の重要なポイントです。
サポート体制が整っていないと、派遣先での悩みや不安を気軽に相談できません。
小さな問題が大きなトラブルとなってしまっては、仕事にも集中できなくなってしまいます。また、我慢を強いられたり働きづらくなったりすれば、心身にも影響を及ぼす可能性もあります。
注目ポイント4.福利厚生
派遣社員に適用されるのは、派遣先企業ではなく派遣会社の福利厚生です。
以下は、派遣会社が用意している福利厚生の事例です。
- 社会保険への加入
- 定期健康診断
- 有給休暇
- 育児休暇や介護休暇などの休暇制度
- 旅行・宿泊の割引や英会話スクール優遇などの割引制度
福利厚生が充実している派遣会社を選べば、プライベートの充実にもつながります。
注目ポイント5.スキルアップ制度
「ビジネスマナー」「電話応対」「Excel・Word」など、派遣会社によっては研修制度を十分に整えているところも多いです。
なかには、専門性の高い知識を取得できるカリキュラムを用意している派遣会社もあります。
「派遣で働きながらスキルを身に付けたい」「転職に有利になる資格を取得して正社員に転職したい」など、スキルアップやキャリアアップを目指すなら、研修制度によって派遣会社を選ぶのもひとつの方法です。
派遣は自由度が高い!ライフスタイルに合わせて働きたい人におすすめ
紹介してきたように、派遣社員という働き方にはさまざまなメリットがあります。
特に残業がなかったり時短勤務ができたりと、多様な働き方が選べる点はライフステージが変化しやすい女性にとっては魅力的なのではないでしょうか。
一方で、雇用や収入においては、正社員に比べて不安定な面があるのも事実です。
派遣という雇用形態に不安を感じた時は、自分にとっての最適な働き方を考えてみる良いチャンスです。
自分自身の生活や将来のプランと派遣で働くメリット・デメリットをしっかり考えて、後悔のない選択をしてください。